小児感染症患者を対象としたクラブラン酸カリウム·アモキシシリン水和物配合剤（クラバモックス~R小児用ドライシロップ）の有効性，安全性の検討

摘要

β－ラククマーゼ阻害薬配合ペニシリン系抗生物質製剤であるクラバモックス~R小児用ドライシロップ（クラブラン酸カリウム·アモキシシリン水和物）の市販後における安全性および有効性を検討することを目的に2007年11月から2008年10月にかけて小児の呼吸器感染症，皮膚感染症および尿路感染症患者を対象に特定使用成績調査を実施した。 2008年8月末までに60施設の医療機関から収集した302例の調査票を用い，中間解析として安全性解析対象症例289例，有効性解析対象症例268例について検討を行った。 有効性に関しては，有効率は呼吸器感染症が95，9％（235／245例），皮膚感染症が95．7％（22／23例），尿路感染症が50．0％（1／2例）であり，全体では95．5％（256／268例）であった。 また，呼吸器感染症の主要原因菌であるStreptococcus pneumoniae，Haemophilus influenzae，Strepfococcus pyogenes，Staphylococcus aureusおよびMoraxelIa catarrhalisに対する原因菌別有効率は90．9～100．0％であった.安全性に関しては，副作用発現率は13．1％（38／289例）で，そのうち，最も多い副作用は下痢の12．1％（35／289例）であった。 これらは，一般的に低年齢児への抗菌薬投与時にみられる下痢で，重症度はすべて非重篤であり，本剤投与継続中または投与終了·中止により回復または軽快した。 以上の結果から，クラバモックス小児用ドライシロップは，中間解析ながら市販後の使用実態下において呼吸器感染症をはじめとする各種小児感染症に対して優れた有効性ならびに安全性を示し，有用な薬剤であることが確認ぎれた。