帝王切開術施行患者を対象としたエノキサパリンナトリウム（クレキサン~R皮下注キット2000IU)の 使用実態下における安全性ならびに有効性の検討特定使用成績調査

摘要

目的：帝王切開術施行患者を対象にエノキサパリンナトリウム（クレキサン~R皮下注キット2000IU)の使用実態下における安全性ならびに有効性について検討することを目的 に，特定使用成績調査を2009年3月から2012年6月まで実施した。患者と方法：調査対象は，帝王切開術施行患者のうち，クレキサン皮下注キット2000IU が新たに投与された患者，かつ術前クレアチニンクリアランス値がCockcroft式より算出可 能な患者どじた。本調査では，登録時の患者背景，副作用，出血性副作用の発現，ならび に肺血栓塞栓症の発症状況について検討した。結果：本調査において，全国51施設から232例の調査票が回収され，「投与期間不明」1 例を除く231例を安全性および有効性解析対象症例とした。安全性解析対象症例231例の平 均年齢は33.1歳，BMIでは27kg/m2以上力H5.0%, 27kg/m2未満が55.0%であり，帝王切開に 至った理由として帝王切開の既往カ嘬も多かった。本剤の平均投与日数は4.0+-1.5日であった。副作用は7例8件認められ，副作用発現率は3.03%，このうち出血性副作用は3例3件で あった。重篤な副作用は認められなかった。また，本調査において肺血栓塞栓症の発症は 認められなかった。