がん患者の1日の服薬錠数と服薬錠数の増加に伴う苦痛についての検討

摘要

本邦では，総務省統計局の資料によると.人口は2005年以降横ばいで推移しているが, 65歳以上の人口は年々増加の一途をたどり， 2005年と比較すると2010年は13.9%も増加し， 高齢化社会を迎えている。高齢者は，高血圧 症や糖尿病などの生活習慣病に加えがんの罹 患率も高く，様々な合併症を有することが多 い。そのため，これらの治療を行う上で,薬 剤の服薬錠数は増加してきている。服薬コンプライアンスが治療に影響してい ることについては，高血圧症，総合失調症 などで報告がある。例えば，血液透析患者に おいては，高リン血症治療薬を長期に投与す る必要があり，薬剤の副作用や服薬錠数の多 さといつた問題で服薬コンプライアンスが低 下し，治療に難渋することが多いと報告されている。