足白癬患者に対するイトラコナゾ-ル短期療法での臨床効果および患者アンケートの検討

摘要

今回,爪白癬合併例を含む足白癬55例(趾間型,小水疱型,角質増殖型)に対して,イトラコナゾ-ル200mg/日または400mg/日を投与する短期療法(7日間投与して3週間休薬)を試み,その有効性と安全性について静岡県内の34施設で検討した.今回の検討では爪白癬合併例が89.1% (49/55例)と難治例が多かったが,皮膚症状改善効果は?改善?以上が90.9% (50/55例),総合臨床効果も?有効?以上が89.1% (49/55例)と,高い有効率が得られた.また,投与終了から1カ月以上の時点でも92.0% (23/25例)で再発が認められなかった.水虫治療に関する患者アンケートによる検討では·良いと思う治療方法として91.7%(33/36例)が短期療法を選択し,良いと思う通院回数も86.1% (31/36例)が月1回を選択した.短期療法の医療費については57.1% (20/35例)が1回の支払金額を高いと感じていたが,治療終了までの合計の支払金額については54.8% (17/31例)が妥当であると回答した.今回の短期療法に関するアンケートの回答者35例全例が?大変満足? ?ある程度満足?と回答した.今回の検討において,イトラコナゾ-ルの短期療法は爪白癬合併を含む足白癬こ対して優れた臨床効果および患者評価を得ており,選択肢の1つになり得ると考える.