小児呼吸器感染症治療薬としてのクラブラン酸/アモキシシリン喪剤（クラバモックス小児用ドライシロップ）の評価

摘要

小児の感染症の治療において，ペニシリン系薬は必須の薬剤である。 特に肺炎球菌が主要原因菌となる急性中耳炎，急性気管支炎，肺炎や，A群溶血性レンサ球菌が主要原因菌となる咽頭?扇桃炎などに対しては，第一選択薬として使用されることも多い。 その一方で，近年増加が著しいPRSP/PISP（ペニシリン耐性肺炎球菌/ペニシリン低感受性肺炎球菌）などの薬剤耐性菌に対しては常用量では効果が不十分な場合があり，用法?用量を超える高用量の投与が必要となるケースも増えている。 そうした中，ペニシリン系薬の中で唯一高用量かつ1日2回投与が可能で，薬剤耐性肺炎球菌対策のための治療薬として注目されているのがクラバモツクス小児用ドライシロップ（以下クラバモツクスと略）である。