軽度の外傷と熱傷の処置法

摘要

一見軽度の外傷にみえても重篤な損傷が隠れていることがある.バイタルサインに問題がないことを確認することが大切である.異常を認めた場合はprimary surveyと蘇生を行いつつ，高次医療機関への転送を考慮する.軽度の外傷については，打撲'捻挫が疑わしい場合はRICE処置を施行し，必要があれば損傷部を固定する.創処置については大量の水でよく洗浄することが大切である.転位のある骨折や開放骨折は緊急で専門医の診察が必要である.開放骨折では早期の創洗浄と抗菌薬投与が大切である.熱傷の初期治療については，熱傷面積と熱傷深度より重症度の評価を行う.入院適応と転送の判断についてはArtzの基準を参照する.熱傷の処置については，よく洗浄し，創部の感染や乾燥に注意することが大切である.