便秘 大黄甘草湯，大建中湯

摘要

便秘には器質性と機能性の二つのタイプがあり,機能性便秘はさらに弛緩性便秘,けいれん性便秘,直腸性便秘に分けられる.漢方薬を含む薬物治療はおもに機能性便秘に対して行うものであり,必要に応じ大腸内視鏡ゃ注腸などの諸検査により器質性便秘を否定しなければならない.大黄甘草湯はおもに弛緩性便秘に対して用いられ，漢方特有の投薬ルール(証診断)をある程度無視して使える薬である.大黄甘草湯の有効成分センノシドは緩下薬プルゼニド~Rと同一であるため，プルゼニド~R投与後の反応は本剤適応のよい判断材料となる.使用の際には構成生薬である甘草による偽アルドステロン発症を適宜チェックする必要がある.大建中湯は多くのェビデンスが集積され，弛緩性あるいはけいれん性便秘に対し幅広いスぺク卜ルをもつ整腸薬といえる.周術期管理ゃィレウス時の使用に加え，プルゼニド~Rが無効な弛緩性便秘や投与後の腹痛のため緩下薬が使えないけいれん性便秘などに効果を発輝する.