Blonanserinにスイッチングした高齢の統合失調症3症例

摘要

統合失調症患者が高齢化するに従い，より副作用が少なく安全に使用できる新規抗精神病薬が求められている。 Blonanserinは2008年1月に製造販売が承認された，本邦では6番目の新規抗精神病薬である。 ドパミンD_2受容体とセロトニン5－HT_(2A)受容体を選択的に遮断し，かつ5-HT_(2A)受容体よりD_2受容体に親和性が高く，DSA（dopamine－serotonin antagonists）と称されている。 さらに，アドレナリンalpha_1，ヒスタミンH_1，セロトニン5－HT_(2c)，ムスカリンM_1受容体に対する親和性が低く，比較的安全性が高いことが期待される。 高齢者に対する抗精神病薬使用は様々な合併症を引き起こす危険性があるが，主剤をblonanserinヘスイッチングして有害事象が軽快し，安全に使用することができた高齢の統合失調症患者3例を経験した。