高齢者肺炎に対するbiapenemの有効性と安全性の検討

摘要

目的：高齢者肺炎に対するbiapenemの有効性および安全性の検討を行った。対象と方法：65歳以上の肺炎患者30例を対象にbiapenem 0.3gを1日2回，静脈内点滴投与した。投与開始3日後および投与終了後に自覚症状·他覚所見の改善をもとに臨床効果を評価した。また，安全性の評価を行った。結果：Biapenem投与開始3日後に改善傾向を認めた症例は83.3% (25/30)であり，最終有効率は96.60/0 (28/29)であった。有効例におけるbiapenemの平均投与日数は9.6±2.6日であった。安全性に関しては，5例で肝機能障害など(^臨床検査値異常を認めたが，全例軽度の異常であり投与を中止した症例はなかった。また，投与前後で有意な腎機能の悪化を認めなかった。結語：高齢者肺炎に対してbiapenemは有効性と安全性の高い薬物であることが示唆された。