アスピリンからクロビドグレルへの変更で血管壁硬化の改善を観察

摘要

北野病院神経内科の金子　鋭氏は，クロビドグレルによる末梢動脈硬化改善作用を示唆する臨床成績を報告した。アスピリンに比べクロビドグレルは，血管壁の硬化の指標である脈波伝播速度（PWV）を有意に改善するというデータである。対象となったのは，脳梗塞既往がありアスピリン100mg/日を内服していた外来患者10例（平均年　齢：72．5歳，女性：3例）である。これらをクロビドグレル75mg/日に変更，変更直前と変更8週後の上腕·足首間（ba）PWVを比較した。また対照として，抗血小板薬を服用していない別の外来患者10例（平均年齢：72歳，女性：7例）で，クロビドグレル75mg/日を開始し，同様にbaPWVを比較した。