避難環境と深部静脈血栓症—東日本大震災による検診結果から—

摘要

筆者らは新潟県中越地震（以下中越地震)，能登半島 地震，新潟県中越沖地震（以下中越沖地震)，岩手·宮城内陸地震，そして東日本大震災と5つの震災で避難所 において肺塞栓症発症予防のための深部静脈血栓症 (DVT)検診を行ってきた。したがって異なった震災の 異なつた場所にある多数の避難所に行くことができた。 しかし行つた先々の避難所内の様子は宮城県沿岸部の厳 しい避難所を除いてはほぼ同じであり不思議な既視感を 覚えた。それは時空を超えて何年経っても同じ避難所と 被災者の姿だった。