再生不良性貧血·赤芽球癆の診断と治療

摘要

わが国における再生不良性貧血(aplastic anemia, AA)の患者数は約5,000人と推定されている。 年間新患者発生数は100万人あたり5人前後と推定され,これは欧米諸国の2～3倍の発生率である。 一般の疾患に比べて極めて低い発症頻度であるため,その治療において無作為比較試験を討画するには大きな困難を伴う。 しかし近年,前方視的無作為比較試験をもとにした臨床研究が発表されるようになり,わが国の研究者も多大な員献をしている。 一方,赤芽球癆(pure red cell aplasia, PRCA)の発症頻度はAAの約7%, 100フラ人あたり0.3人と推定されている。 さらに希少な疾患であるため, PRCAにおいては無作為比較試験をもとにした臨床研究は皆無である。