Gata1とGata2遺伝子ダイナミクスのネッ卜ヮ一ク制御を 基盤とした赤血球分化の分子機構

摘要

造血幹細胞および前駆細胞から，それぞれの血球系列 の細胞が正しく分化/成熟するためには，系列特異的な 転写制御因子群により造血系遺伝子発現が，協調的かつ 階層的に制御されることが重要である。系列ごとの血球 分化進行に伴い，前駆細胞の多分化能は制限され，血球系列固有の機能分化がもたらされる。GATA転写因子群 は，このような系列特異的遺伝子発現プログラムを指令 する代表的な転写制御因子であり，2つのジンクフィン ガードメインを介して，染色体DNA上のGATA配列を 認識する。 GATA転写因子群に属するGATA1, GATA2, GATA3は，血液細胞での特異的な発現パ夕一 ンとその機能的重要性から，血球系GATA因子と呼ば れる。