臨床·病理肺癌取扱い規約

摘要

1977年に提示された組織分類（以下，旧学会分類という）は，その基本方針で述べられている様に，"容易に利用でき平易なものであり，かつ客観性，再現性に富むこと"及び"国内ではもちろん，国際的にも研究協力を行いやすい分類とするよう配慮すること"を念頭に作られたものであり，それ以降，本邦において幅広く利用され定着してきた．しかし，この20数年間に肺癌研究の進展による新たな知見の追加はめざましく，これを踏まえて1999年，WHOによる肺及び胸膜腫瘍分類（以下，新WHO分類という）が大幅に改訂され第3版として提示された．こうした状況からみると，旧学会分類は客観性及び国際的な通用性の面からみて必ずしも満足できるものではなくなったと思われる．