トリプ夕ン無反応性片頭痛患者における考え方と対応

摘要

トリプタン系薬剤が臨床の填で片頭痛患者に処方されるようになってから，無効例,服用後24時間以内の頭痛再発,長期使用による効果の低落など問題点が残されている．今回は無効例について取り上げたが，自験例での檢討結果から国際学会の診断基準には適合するものの，女性例の比率がかなり高いこと,就学時からの早期発症例が多いこと，家族歴が乏しい症例が多いことなど,基準以外の周辺症状では平均的な症例とすこし隔たりがあった．これが自験だけの結果によるかどうかはなお症例の蓄積が必要であるが，非定型的側面をもっ片頭痛では無効である可能性を念頭においておくことが必要であろう．治療としては，NSAIDsやエルゴタミンなどの頭痛抑制薬，さらには各種頭痛予防薬を駆使しながら対処することが必要である．