骨系統疾患

摘要

骨系統疾患とは,骨·軟骨をはじめとする骨格を形成する結合組織の成長·発達·分化の障害により,骨格の異常をきたす疾患の総称である.ほとんどが遺伝性の疾患(単一遺伝子病)で.多くの疾患がこのカテゴリーに属する.比較的よく臨床像が規定されているものだけでも20O以上の疾患がある.近年の分子遺伝学,DNA解析技術の急速な進歩を背景に.骨系続疾患の遺伝子解析は,めざましい進展を遂げ,目下つぎつぎに新しい疾患遺伝子が同定されている.疾患遺伝子の同定により,表現型でなく原因遺伝子による分類,病態の解明への道が開かれようとしている.骨系統疾患の遺伝子解析は,骨·軟骨代謝や骨格の形成機構の解明,骨·関節の"ありふれた疾患"(common disease)の病態の解明,治療への突破口になると期待される.