脳卒中機能評価 Stroke lmpairment Assessment Set(SIAS)を中心に

摘要

脳卒中の総合的機能評価法として,Stroke lmpairment Assessment Set(SIAS)を開発した.SIASは脳卒中の多面的な機能障害を簡便に評価することをめざしており,リハビリテーションを実施するうえで重要な9種の機能障害を22項目のテストで評価する.SIASは,総合的な機能評価であることとADL予後に影響する非麻痺側機能を含むことがもっともユニークな特徴である.麻痺側道動機能としてオリジナルのテストを作成したほかは,基本的に従来の神経学的診察などをスケーリングしたものである.信頼性と妥当性はすでに確かめられ,従来の評価法ではとらえることができない変化を観察できることなどがわかってきた.評価法としての一元性も証明され,合計点を利用することも可能であるが,数値処理ができる間隔尺度として利用するためにはさらに検討が必要である.疾患としての重症度を評価するJapan StrokeScaleと,医学的リハビリテーションのためのSIASは今後共存していくと思われる.