微生物におけるCOの受容システム

摘要

近年,酸素.一酸化窒素,一酸化炭素,などの気体分子がシグナル分子として機能し,さまざまな生理機能制御に関与していることが報告されはじめ,多くの研究者の注目を集めている.一酸化炭素の生理機能としては転写調節因子CooAの生理的なエフェクターとして機能し,遺伝子発現を制御していることが見出された,転写調節因子CooAは,分子中にヘムを含み.一酸化炭素によりその機能が制御されている,これまでにまったく例のない新規な転写調節因子である.CooAはCOレセプター(センサー)としての機能を有しており,分子中に含まれるヘムがCOセンサーの本体として機能ずる.分子中のヘムにCOが結合することによりCooAは特異的DNA結合能を獲得し,転写活性化因子としての活性を示すようになる.CooA中に含まれるヘムはこれまでのヘム蛋白質にはない,特異な性質を示すこともわかっている.