サルコイドーシス

摘要

サルコイドーシスの疾患概念の変遷，診断基準，病因，治療に対する最近の考え方について解説する．サルコイドーシス（以下，サ症）は原因不明の全身性肉芽腫性疾患である．その組織学的特徴は結核をはじめとする感染性肉芽腫と同様に，類上皮細胞や巨細胞を伴う類上皮細胞肉芽腫である．しかし，感染性肉芽腫に認められる中心壊死は，多くの場合，認められず，非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫とよばれている．また，その免疫学的病態の特徴は遅延型過敏反応（細胞性免疫）で病巣局所ではTh1細胞が優位である．