研究動向にみる生薬の科学的認識

摘要

生薬は化学薬品と遣って，人類が長年にわたる使用体験によってその効能·効果を知り薬であると認知してきたものである．また，生薬は天然物であり，多種多様な成分が含まれている．生薬の薬理作用はこれらの含有成分が複雑に作用して発現する．また，経口投与された生薬の配糖体成分は，ヒトの腸内に生息する数百種の嫌気性細菌によってさまざまに代謝され,活性化される．さらに，それらの一部は消化管壁や肝で抱合化を受けるなどして体内を循環する.このような代謝変換は活性成分の最高血中濃度到達時間に大きく影響する．