アトビー性皮膚矧こおはるかゆみのメカニズム

摘要

アトピー性皮膚炎の臨床的特徴は年齢とともに変化する皮疹の分布，慢性反復性に経過する皮疹，それにかゆみである．このうち，もっとも重要な症状が抗ヒスタミン薬に抵抗する難治性のかゆみである．かゆみは掻破を誘導し，掻破は表皮ケラチノサイトから炎症性サイトカインの遊離を惹起し，その結果，皮膚に炎症が誘起され，皮疹の増悪をきたす．この結果，かゆみのさらなる増強をきたすことになる（itch-scrach cycle）．したがって，かゆみを制御することはアトピー性皮膚炎の治療においてもっとも大切なことである．