男児外陰部異常症および精子形成障害と内分泌撹乱化学物質感受性エストロゲン受容体α遺伝子のハブロタイプ解析

摘要

近年，日本を含む複数の国々において停留精巣，尿道下裂，精子形成障害，精巣腫瘍の増加か報告され，これはおもに内分泌撹乱化学物質のエストロケン受容体を介するエストロケン様作用によると考えられている．著者らは，内分泌撹乱化学物質のエストロケン様作用に対し高い遺伝的感受性を有する個体か雄性性機能低下を発症しやすいという作業仮説のもとに，男児外陰部異常症患者および精子形成障害患者において1エストロケン受容体α遺伝子のハブロタイプ解析を行った．その結乳C末端側に約36kbのハブロ年イブフロックか存在し，特定ハブロタイプのホモ接合憶か，尿道下裂に対しオッス比1375，停留精巣に射しオッス比755という顕著な感受性を伴うことを見出した．この成績は，内分泌授乳化学物質に対する個体感受性の存在を示唆するものである．