急性骨髄性白血病の白血病幹細胞とニッチ

摘要

造血幹細胞においては長年にわたり探索されてきたニッチ(niche）が同定された．急性骨髄性白血病しAML）を含めた白血病においても．造血幹細胞と同様にニッチの存在が想定されている．もし，白血病幹細胞とそのニソチとの間に特有の相互関係があれば．この相互関係を標的にすることで白血病幹細胞の増殖抑制．分化誘導．あるいはアポトーシス誘導が可能となり．有効な治療手段になりうる可能性がある．最近．白血病細胞のCXCR4と骨髄ストローマ細胞のSDF－1との相互作用が白血病細胞の骨髄へのホーミングや増殖を促進することか報告されているが．白血病幹細胞の骨髄へのホーミンク.定着および遠隔部位への遊走などについての機序についてもいまだ十分明らかにされておらず．ニッチ自体も同定されていない．本稿ではAMしを中心に白血病幹細胞とニッチについて．これまで解明されている範囲で紹介し．考察する．