遊離脂肪酸（FFA）

摘要

従来,脂肪酸は飢餓時にエネルギーを全身濾器に供給するキャリアとみなされていたが,最近では多彩なシグナルを伝達するアディポカインと位置づけられている．エネルギー摂取過剰や脂肪の蓄積によって血中の遊離脂肪酸が増加すると，循環血液を介して，膵beta細胞,肝,筋肉において脂肪毒性をもたらすのみならず,肥満の脂肪組織や動脈硬化巣局所において炎症性変化を増大する可能性がある．遊離脂肪酸（FFA）は，peroxi－some proliferator-activated receptorやToll様受容体，G蛋白質共役型受容体などを介して糖脂質代謝に関する可能性があリ，これらの詳細な分子機構の解明によりメタポリソクシンドロームの病態生軌こ関する理解が深まリ．あらたな治療戦略の確立につながると期待される．