小児·思春期の頭痛-頭痛は小児科の新しい専門分野となりうるか

摘要

『国際頭痛分類第2版（ICHD－II）』（2004〉は小児片頭痛の特徴を考え，第1版（1988）に修正が加えられた．すなわち，小児では頭痛の持続時間が1～72時間，部位は前頭部と側頭部であれば，両側性であっても片頭痛と診断される．さらに，小児周期性症候群（片頭痛に移行することが多いもの）（1.3）として周期性嘔吐症，腹部片頭痛が第1版の小児良性発作性めまいに加わった．小児。思春期の片頭痛は成人に比べ軽く，薬剤を必要とするものは少ないが，日常生活が妨げられる強い頭痛にはまず鎮痛薬が使用される．鎮痛薬が無効のときは，12歳以上はトリブタンも使用可能である．現在，小児片頭痛に対する治療効果のエビデンスが確立しているのは，鎮痛薬ではイブプロフェン，アセトアミノフェン，トリブタンでは12歳以上でスマトリブタンの点鼻液である．