ヒストンmRNAと細胞増殖

摘要

最近，細胞増殖に関連する物質を組織切片上で同定することにより，ヒトの腫瘍ほかの病態における細胞増殖動態をより正確に同定することが可能となってきたヒストンmRNAの発現は，はとんどの細胞で細胞周期のS期に限局して認められており，この発現をmRNA in situ hybridizationを用いて検討することにより，S期に相当する増殖細胞を同定することが可能となるしかし，ヒストンのmRNA in situ hybridization法は技術的に種々の問題点があり，通常の病理組織標本における増殖細胞の同定には，Ki67などの細胞増殖関連核抗原の免疫組織化学的検索のほうがより実用的である