目と頭痛-目は頭痛の交差点

摘要

眼の器質的な疾患や機能的な障害による限局所に限局する疼痛（眼痛；ocularpain，eye pain，eyeache）はもちろんあるが，三叉神経を介して疼痛は放散し（放散痛；radiating pain），一側の顔面へ（顔面痛；facialpain），または一側の頭部へ,あるいは頭部全体へ放散し，頭痛（headache）として訴える場合がある．緑内障が代表的で，脳神経外科や神経内科を経て眼科を受診するケースがある．さらに，眼以外の異常で頭痛が生　 じ，眼徴候や眼症状を伴い，眼科で発見される他科の疾患も多い，脳動脈瘤や糖尿病などがこれにあてはまる．まさに目は頭痛の交差点であリ，頭痛診療のなかで眼科の役割は大きい．そのなかで充血，複視，視力障害などを伴う例は眼科受診が最優先であリ，眼科で精査あるいは加療を必要とする．とくに緑内障と脳動脈瘤は失明や死につながるので，鑑別と早急な対応が重要である．