気管支喘息と脂質メデイエーター

摘要

脂質メディエーターとは細胞膜のリン脂質由来の生理活性をもつ脂質の総称で.これらは特異的な受容体に作用することによって活性を示す.リン脂質は.グリセロール骨格を有するグリセロリン脂質と.スフィンゴシン骨格を有するスフィンゴリン脂質に分類されるか.気管支喘息に関連する脂質メディエークーの報告は.クリセロリン脂質とその代謝産物を扱ったものがほとんどである.本稿では.グリセロリン脂質の代謝産物であるロイコトリエン（LT)と血小板活性化因子(PAF)を中心に.これら脂質メディエータ-の受容体や代謝酵素と気管支喘息とのかかわりについて現在までに明らかになっていることを解説し.さらに将来喘息治療薬のターゲットとなる可能性がある脂質メディエーター関連分子についても触れたい.