心不全のテーラーメイド治療

摘要

心不全は疾患人口が多く,成因も心筋梗塞や心筋症,弁膜症など多彩であり,その治療方法も非常に多岐にゎたっている.その治療方法は,近年のevidence-based-medicine(EBM)の考え方から,大規模臨床試験での結果を元に画一的に決定される傾向がある.一方,薬物の効果やその副作用の発現率には個人差が存在し,あらゆるヒトに同じように効果が得られる治療方法は存在しない.薬の効き方や副作用の出方の一部は遺伝子多型による個人差が規定しておい,その大部分はSNP(single nucleotide polymorphism)によると考えられている.ポストゲノムの時代に突入し,大量の遺伝情報を管理できるようになってきた現在,遺伝子多型の遠いを元に,個人個人で治療方法を変えていくテーラーメイド医療への転換が求められている.