外国特許の取得と優先権制度・よろず相談

摘要

情報化社会の今日，“新しい”といえるためには世界を一新しなくてはならない．同じように，流通や経済の国際化が進んだこの時代において特許を取得する場合，国内特許のみでは不十分であるのは明らかである．社会経済に与えるインパクトの大きい大学などの発明を技術移転や実施化の対象として考慮する以上は，なおさらであろう．ところが，そもそも特許法をもたないような例外的な国を除けば，世界には国の数だけ特許法がある．だから，世界で特許を取ろうと思っても，具体的にはどこの国で取るのか，そもそもどうやって外国で特許を取るのかなど，さまざまな問題に行き当たる．シリーズ最終回は，海外での出願に際して留意すべき点，および優先権制度を中心に解説したい．