2型糖尿病にはまず運動療法と食事療法その分子的根拠はPGC－1αにあった

摘要

筋肉での好気呼吸は加齢や糖尿病により低下することが知られている．今回，2型糖尿病において，酸化的リン酸化に関与する遺伝子の発現に変化がみられ，そこには，PGC-1α（peroxisome proliferator activator protein-γ，co-activator-1α）が関与していることが明らかとなった．グルコースの酸化と糖新生は，血中グルコースレベルを一定に保つために，非常に精巧に調節されている．β細胞によってグルコースが感知されると，インスリンが放出され，インスリンは骨格筋や脂肪組織によるグルコースの取込みを促進し，肝臓での糖新生を抑制する．2型糖尿病では，インスリンに対する応答性が低下していたり，インスリン分泌が減少している．