後発医薬品（酸化マグネシウム細粒製剤）の製剤特性と服用感?利便性の評価

摘要

制酸剤や緩下剤として繁用される酸化マグネシウムは，臨床上，重質製剤が多く使用されて きた。しかしながら，重質製剤は，服用時の不快感，さらには特有の不快な味を感じる等の欠 点が指摘され，アドヒアランスの低下が懸念されていた。これらの問題を解消するため，独自の製剤設計による後発医薬品：酸化マグネシウム細粒83% 「ケンエー」が開発?上市された。今回，当院において，重質製剤から細粒83%製剤へ剤形変更を行った。その過程において，細 粒剤の製剤特性が患者のァドヒアランスに及ぼす影響を検討するために，服用感ぉよび利便性 等についてアンケート調査を行った結果，「味」，「服用感」，「口腔内残存感」の項目において「良い」という方向への評価が得られた。一方，「開封操作の利便性」においては，「材質が硬く力がいる」という意見が認められ，改良すべき点が明らかとなった。今回の調査から，細粒製剤への製剤改良は，服用感を改善することによって，患者のアドヒアランスの向上に大きく寄 与できたものと評価した。