ケラトアカントーマ様の臨床を示したlichen planus－like keratosisの1例

摘要

73歳，女性．初診の1年前に顔面に痒みを伴う紅色局面が出現，徐々に増大してきた．臨床的にケラトアカントーマを疑い全摘．組織は苔癬型反応を呈しており，lichen planus－like keratosisと診断した．Lichen planus-like keratosisは，扁平苔癬と臨床的に異なるにもかかわらず，同症と酷似した組織像を有する良性の角化性病変であり，臨床的に脂漏性角化症やBowen病との鑑別が問題になることが多い．われわれは，臨床的にケラトアカントーマを強く疑ったlichen planus－like keratosisの1例を経験した．