SLEの経

摘要

21歳，男性．ループス腎炎に対しアザチオプリン（イムラン~R）のほか，多剤内服していたところ，顔面の蝶形紅斑、下肢に紅色丘疹が出現した．ステロイドの増量にて皮疹の軽快を認めたため，ステロイドを減量したところ，熱発，粘膜部のびらんが出現し，紅斑も全身に拡大したため，Stevens John－son症候群と診断した．薬剤をすべて中止してステロイドパルス療法を行ったが，びらんが徐々に拡大し，中毒性表皮壊死融解症（TEN）に移行した．大量γグロブリン療法（IVIG）により，皮疹はほぼ消失した．ヒトヘルペスウイルスー6の再活性化は認めず，サイトメガロウイルスアンチゲネミア抗原の陽性化を認めた．リンパ球刺激試験では，イムラン⑧のみが陽性であったことから，同剤によるTENと診断した．