糖尿病?メタボリックシンドローム合併高血圧

摘要

糖尿病?メタボリックシンドローム合併高血圧は，大血管症のリスクが非常に高い病態であり，厳格な降圧が必要である.糖尿病があれば降圧目標は130/80mmHg未満であるが，高度な動脈硬化合 併が疑われる場合は過降圧による臓器灌流低下に注意する.糖尿病合併高血圧の降圧療法ではARB/ ACE阻害薬を第一選択とし，降圧不十分な場合はARB/ACE阻害薬の增畺，あるいはCa拮抗薬か 少畺サイァザィド系利尿薬の倂用が推奨される.わが国のメ夕ボリックシンドローム診断墓準は，腹 部肥満の存在が必須であり，さらに脂質異常（中性脂肪150mg/clL以上，HDLコレステロール 40mg/clL未満），血圧高値（130/85mmHg以上），空腹時高血糖（110mg/dL以上）のうち2つ以上 を満たすことである.メ夕ボリックシンドローム合倂高血圧治療の基本は内臓脂肪型肥満の是正であ り，食事?運動療法が中心になる.降圧薬を用いる場合は，インスリン抵抗性改善作用に優れる ARB/ACE阻害薬が推奨される.