上肢

摘要

上腕骨頸部で骨折している->上腕骨頭と肩甲骨関節窩の適合性はよく，脱臼はないことがわかる.また上腕骨頭と上腕骨骨幹部は約1/2接しているため，この状態を維持できれば保存治療も可能である.CTで大結節および小結節には骨折がない—大結節，小結節に骨折があると，手術時に整復と固定が必要になる.結節の骨折を疑えばCT撮影を行う.本骨折の治療原則は保存治療である.受傷直後は三角巾やバストバンドで固定し，痛みが軽快すれば，振り子運動などのリハビリテーシヨンを行うと比較的ADLは保たれることが多い.本症例のように骨折部の断端力5接していれば保存治療を行いやすい.しかし経過中に骨折部の転位を生じる場合もあるので，注意深い観察が必要である.