難治性

摘要

稲本慢性期疾患におきましては，日常診療に於いて頻度の高い消化器疾患の中から，難治性過敏性腸症候群をテーマとし，その一つの病型として気滞に寒疝を兼ねる烏苓通気湯の有効性に関して報告したいと思います。過敏性腸症候群，以下IBSの類似疾患に関しましては，1820年，Powellが最初に報告したといわれますが，このことに遡ること100年以上前，日本では香川修庵が『一本堂行余医言』に，本疾患を疝として詳細に記載しております。