高齢者の痴呆による陽性症状に抑肝散が奏効した2例

摘要

療養型病床群における高齢者の痴呆による陽性症状に対して、抑肝散が奏効した2症例を経験した。 症例1ほ75歳、男性。 脳梗塞後リハビリ目的で転院。 脳梗塞の再発後、徐々に不穏?興奮状態となった。 抑肝散（Tl-54）を投与後、症状は消失し、日中はリハビリで活動的に過ごせるようになった。 症例2は93歳、女性。 脳梗塞の発作後、転院。 前医より胃療部のチューブ抜去をしばしば認めていたが、抑肝散投与後、自己抜去は消失した。 高齢者の「肝」の失調状態による「怒」に抑肝散は有用であると考えられた。