減量指導と肥満薬物療法

摘要

肥満症とは,BMI25以上で,肥満に伴う健康障害があるか,内臓脂肪蓄積がある場合をいう.肥満症には,脂肪細胞機能異常による肥満症と脂肪組織重量増力ロによる肥満症がある.脂肪細胞機能異常による肥満症はメタポリックシンドロームと考えてよい.治療の目的は脂肪組織,とくに内臓脂肪組織の減少である.標準体重まで減少させる必要はなく,現体重の5%を3～6カ月かけて減量させる.日本では,薬物療法はまだ行われているとはいえないが,中枢性食欲抑制薬,消化吸収阻害薬,熱産生促進薬の開発治験が実施中である.