日本呼吸器学会「成人市中肺炎診療ガイドライン」におけるA-DROPシステムとァゥトカムとの整合性は十分ではない

摘要

成人市中肺炎A-DROPシステムとァゥ卜カムとの整合性について検討を行った.また,非線形の判別法による新たな重症度分類を試みた.平成16年から平成21年に市中肺炎で入院となった615例を対象とした.人工呼吸器管理かつ/または死亡をァゥ卜カム不良としてロジスティック回帰分析を行い各指標の偏回帰係数を求め,分割表による解析も行い，各指標のァゥ卜カムへの影響を判定した.年齢· BUNのROC 曲線を作成し最適カツ卜オフポイントを求めた.呼吸不全は他の指標と比較してァゥ卜カムに約2倍の影響を与えていた.ROC曲線から求めた最適カツ卜オフポイン卜は年齢83歳,BUN 23mg/dlであった.各指標を等価とした加点法による分類には問題があり，ァゥ卜カムとの整合性をはかるためには，呼吸不全の重み,分類のしきい値，年齢· BUNのカットオフポイントの修正が必要と考えられた，また，非線形の判別法によりシンプルで整合性の高い重症度分類が可能であつた.