ワークショップ2肝硬変治療の進歩

摘要

B型? C型慢性肝炎の治療は近年目まぐるしい進歩を遂げ，多くの症例で肝炎の根治?制御が可能となつ てきている.一方で，これら根治療法が困難である高度肝硬変症例の存在や，NASHなど新たな原因によ る肝線維化?肝発がんが依然課題となっており，肝硬変の合併症に対する治療法や肝機能の維持回復，肝 線維化の軽減，肝発がんの抑制等に資する革新的な治療法の開発が急務である.近年，難治性腹水に対す る新たな治療法が開発され，また種々の臓器分野において急速な進歩を遂げている再生医療研究では肝臓 領域もその例に漏れない状況にある.そこで本ワークショップでは，このような時代の潮流を踏まえ，肝 硬変やその合併症に対して既に臨床応用されている新たな治療法，また幹細胞（体性幹細胞やiPS細胞等） や増殖因子（肝細胞増殖因子等）の活用による新規治療法の研究について，その進涉と課題を様々な視点 から発表いただき，今後の方向性と可能性について積極的に議論していきたい.