急性腹症

摘要

腹痛の性状：閉塞性ィレウスや腸炎は間欠的疼痛となる.絞扼性ィレウスは虚血性病変のため持続性疝痛とな る.重篤度の評価：急性腹症で最も重篤なものは絞扼性ィレウスであり，乳児では腸回転異常?中腸軸捻転をます 念頭に置く皿画像所見：絞扼性ィレウスでは，超音波検査で液体で満たされ内容が停滞した拡張腸管を認め，小腸趨壁が観 察される.小児急性腹症の原因は非常に種類が多い.本稿では，出生前診断される先天性消化器疾患や，neonatal intensive care unit (NICU)入院中の低出生体重児に 好発する消化器疾患を除いた小児急性腹症について述 ベる.また，年齢を問わず外傷や異物誤飲など受傷機 転がはっきりしているものや，心理的要因の考えられ ている機能性反復性腹痛なども除き，原因不明で突然 発症し外科的疾患を鑑別診断とするような疾患を対象 に述べる.