経過中に重篤な出血病変を合併したacute on chronicアルコール性肝不全の1例

摘要

症例は73歳男性，以前よりアルコール性肝障害を指摘されていたが無治療であった．2000某年6月3日意識障害にて前医受診し，肝機能低下，腎機能低下を認め当院救急搬送．来院時，血圧は80台と低く，意識はJCS10，羽ばたき振戦を認めた．pH6．7，BE－33．8と著明な代謝性アシドーシスを認め，AST14000IU／L，ALT4000IU／L，T-bil1．9mg／dl，PT7％，Cre4．5mg／dl，BUN26mg／dl，K6．2mEq／l，BS25mg／dl，NH31124mug/dl，AKBRO．21と慢性アルコール性肝障害をベースに強い代謝抑制がかかった急性肝不全，急性腎不全がoverlapした状態と考えられた．CT上脳浮腫，肝萎縮はなかったが，入院後，人工呼吸管理下で血祭交換施行し，続けてCHDFを開始した．