〔潰瘍性大腸炎lこ対する最適な外科治療とは？〕全大腸切除術：1期手術か2期·3期手術か2期·3期手術の立場から

摘要

潰瘍性大腸炎に対して1期手術を行うか2期·3期分割手術を行うかの問題は，diverting loop ileostomyの必要性および3期手術の有用性に集約される．Diverting Ioop ileostomyは吻合部の安静と早期経口摂取開始を目的として大腸全摘·回腸嚢肛門（管）吻合の際に造設される．これを造設しない1期手術（特に手縫いで行う回腸嚢肛門吻合）は，本術式に熟練した施設で症例を選択して行うのでない限り避けたほうが無難である．また3期手術は，全身状患の改善や救命を目的として回腸嚢肛門（管）吻合術の前に大腸亜全摘·回腸ストーマ造設手術を行うものであり，しばしば術前の全身/栄養状態が不良な本症では有用な術式である．