膀胱より発生したSolitary fibrous tumorの1例

摘要

Solitary fibrous tumor (以下SFTと略す）は1931年 にKlenpererとRabin"らによりはじめて報告された 線維性間葉系腫瘍である.当初は胸膜に発生すると考 えられていたが，近年胸膜外発生例の報告も散見され るようになってきた.今回われわれは膀胱に発生した SFTの1例を経験したので報告する.現病歴：2010年7月に近医婦人科で子宮がん検診を 受けた際，経膣超音波検査にて膀胱内に腫瘍を指摘さ れ，同院泌尿器科を受診した.膀胱鏡検査，MRIに て膀胱頸部に5 cm大の腫瘍を認めたため針生検を施 行された.病理検査で診断の確定は得られなかつた が，悪性所見は認めなかった.しかしながら尿線の途 絶，残尿感などの排尿障害も認めたため，加療目的で 8月に当科紹介初診となった.