パリ，コロンビア，アスペン

摘要

1974年，Herbert Y．Reynolds（米）によって開発された気管支肺胞洗浄（bronchoalveolarlavage：BAL）の技法は，肺の病変部位から直接，細胞，液性成分を採取しての病態生理の解明を可能にした．末梢血を用いての間接的手法で肺疾患の病態生理解明を試みてきた私どもにとっては天地が逆転したことであった．極端な話，以前の成績はすべて反古になった．加えて，Cesar Milstein（1927～2002，英），Georges Jean Franz Kohler（1946～1995，英）のハイブリドーマの技術の確立（1975年）によるモノクローナル抗体の開発は，肺疾患の病態生理解明上の革命的進歩であった．BALを用いての3つの学会の思い出を記しておきたい．