膵島移植の成功:日本ではできないのか

摘要

生涯にわたって治療を続けかナればならない糖尿病の患者に一番必要なのは,いつかは病気が治るという希望である.自己管理が日常習慣となれば良いが,毎日毎日,そして生涯,採血やインスリン注射を続けることは大変である.燃え尽きて希望を失った患者は,治療を中断してしまい,分かっていながら失明,腎障害や四肢の壊疽という重い合併症を起こす.むろん,エンパワーメントをはじめ多くの指導上の工夫がなされてはいるが,糖尿病の合併症は増える一方である.患者の未来に希望を与える根治治療の1つが膵島移相である.2003年の日本糖尿病学会(富山)の膵島移植シンポジウムの報告のように,ワーキンググループで膵島移植実施マニュアルが作られ,レシピエントの登録も千葉県の佐倉病院を中心に始められた.