肝領域

摘要

肝移植の発展は他の移植領域と同様で，手術方法の開発，免疫抑制剤の開発，臓器保存方法の開発によつて発展してきたが，術後合併症である血栓症の克服は，移植成績改善のためにきわめて重要な課題であつた。脳死肝移植におけるグラフトロスの3大原因としては,①PNF (primary non-non-function；2.HAT (hepatic artery thrombosis)，3.CR (chronic rejection)となっていたように，血栓症，とりわけ肝動脈血栓症の回避が重要であった。固形臓器移植における血管吻合法は，1902年にCarrelによつて発表されたものから発展し， 現在まで縫合糸の種類や縫合方法などに工夫が行われている。