先天性溶血性貧血 赤血球自体の膜の異常,酵素異常,ヘモクロヒン異常

摘要

溶血性貧血は,循環血液中の赤血球の破壊による赤血球の減少と,赤血球破壊による溶血によって血中ビリルビンが増加し黄疸をきたす貧血の一型である.小児期における先天性の溶血性貧血は遺伝的要因が強く,高度の貧血をきたすものから,日常では貧血症状が軽く偶然発見される場合など程度に差があり,しかも家族集族性をもって発生することが多い.一方,特殊なウイルス,細菌に感染したときや,患児にとって貧血症状を増悪するような薬剤や食品を摂取した場合でも無形成発作や溶血発作をおこすことがあるので,将来的な病状管理のため鑑別診断は大切である.