新生児座瘡，毛嚢炎，癤，丹毒，蜂窩織炎

摘要

生下時から2～3カ月の新生児·乳児（新生児では圧倒的に男児に多い）の顔面に生じる毛嚢一致性の丘疹，膿疱および面皮の混在する病態である．母体由来の残存アンドロゲンとともに，胎生後期に始まる一過性テストステロン分泌過剰による皮脂腺の過剰発育·脂腺分泌亢進が背景にあると考えられる．おもに頼部·前額·頤部に，毛嚢一致性の常色ないし紅色丘疹，および膿疱が集族性に生じ（図1），面皮を混じる．思春期の痤瘡とは異なり，胸部·肩～背部には生じない．硬結や嚢腫を形成することはなく，瘢痕を残すこともない．